医療、このままでいいの?
- 2025年10月15日
- 院長の記録
こんにちは。院長の佐藤悠太です。
以前はだいぶ秋めいてきましたねというお話をしましたが、いつの間にやら寒くなってきました。クリニックの目の前にある銀杏並木も枝葉を伐採されて寒そうです。そして、寒さと同時にインフルエンザとコロナの患者さんも増加しております。早めに予防接種を受けるなどで病気の予防にご協力ください。当院ではインフルエンザワクチンとコロナワクチンの同時接種も可能ですので、ご検討いただけますと幸いです。
今回は医療のことで、ちょっとだけ考えていただきたいことがあって筆をとりました。まぁ、正確にはパソコンに向かってキーボードを叩いているのですが・・汗
それはどうすれば当院の目標である「安心な医療を提供できる」かにつながってきます。当院は、患者様の安心と医療の安全を確保するために、採血検査機器を充実したクリニックになっております。実はそれが最近ちょっと厄介事を引き起こしてしまっているのです。
ここから先は決して患者様やお世話になっている病院に対する批判やクレームではありませんので、その点はご理解ください。あくまでも1人の医療者として中立した立場で、今の医療の問題点を書きたいと思います。
前回のコラムでも書きましたが、私も以前は大学病院に勤めている勤務医でした。大学病院には、臨床・教育・研究という3本の柱があります。在籍する医局員はその3つの柱をこなさなければなりません。普通に考えてかなり無理がありますが、それが大学病院の使命となっています。臨床について少し補足しますと、臨床には外来と入院があります。入院患者様の中には集中治療室にいる患者様や術後の患者様なども含まれます。こんな忙しい中で、会議やさらに月に数回当直業務があります。今は分かりませんが、当時の医師は当直業務の翌日も通常業務を行なっていました。
えっほ、えっほ・・疲れた・・・
また、大学病院以外の一般病院で勤務していた頃は、医師1人当たりの入院患者様の受け持ち患者数が多かったです。そうなると、急変する患者様も多くなり、当然かなりのストレスと責任感がのしかかってきます(これは大学病院でも変わりはありませんが)。
このような状況下で、当院で採血をして炎症が高いので救急外来で精密検査をしてもらいたい、容態が悪いので救急搬送+入院を受けてもらいたいと言って通じるでしょうか?皆さんがもし勤務医でこのような同じ立場だったら、患者様を受け入れて責任を持って診療する余裕があるでしょうか??
正直、私にはその自信はありませんでした。ですので、自分のペースで仕事ができる開業医になって患者様を身近で支える医師を目指して日々努力しております。しかし、これが今の日本の医療の現状なのです。決して誰が悪いわけでもありません。そのシステム、そのものに問題があるのだと思います。そして医療費の極端な削減にも大きな問題があるのだと思います。このままでは病院だけでなく、その下で支えている開業医ですら成り立たなくなってしまいます。すると困るのは職を失った医療関係者と患者様です。ぜひ今からでも患者様を中心とした医療を実現できるようにシステムの改善を願うばかりです。
目指すはみんながハッピーな医療♬
今回は愚痴のようなコラムになってしまい申し訳ありません。しかし、病院やクリニックが誰のために存在するのか、もう1度よく考えていただけると幸いです。そうするとやるべきことは自ずと見えてくるはずです。最後までお読みいただきありがとうございました。