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副腎|あると内科クリニック|鷺沼の内科/糖尿病内科/内分泌内科

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副腎

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副腎の場所と大きさ

副腎の場所と大きさ

副腎は左右の腎臓の頭側に1個ずつある臓器です。おにぎりのような形をしており、後腹膜腔と呼ばれる場所におさまっています。わかりやすくいうと、ちょうど背中に手を当ててもらったとき、手が当たった場所に腎臓があり、副腎は手が当たった場所より少し頭側にあります。

副腎の役割

副腎は副腎皮質と副腎髄質にわかれます。おにぎりに例えると、外の海苔に近い部分が副腎皮質に相当、中の具に近いところが副腎髄質に相当します。副腎皮質と副腎髄質からは、それぞれホルモンが分泌されています。
副腎皮質からは、コルチゾールとアルドステロンが分泌されます。コルチゾールは生命維持に欠かせないホルモンで、ストレスへの耐性、抗炎症作用、血圧の調整、電解質の調整、血糖値の調整などを行っています。下垂体のところでもお話しましたが、コルチゾールは視床下部−下垂体前葉−副腎皮質の経路で調整されています。一方で、アルドステロンは体内の塩分、カリウム、水分のバランを調整することで血圧を保つ重要な役割をしています。
副腎髄質からは、アドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。これらのホルモンは、心臓や血管の調整を主に担当しています。緊張した時に血圧が上がって脈が速くなるのも副腎髄質が正常に働いているからこそできる技なのです。

副腎皮質の病気

クッシング症候群

下垂体のところでお話したクッシング病と似ています。違う点は、どこに原因があるかです。クッシング病は下垂体前葉に副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を産生する腫瘍ができることで、コルチゾールの分泌が増える病気でした。一方で、クッシング症候群は副腎に腫瘍ができることでコルチゾールの分泌が増えます。どちらもコルチゾールの分泌は増えるので、出てくる症状はほぼ同じです。では、この2つをどのように見分けているのでしょうか。ヒントは、下垂体のところでお話した上司(視床下部)−中間管理職(下垂体前葉)−部下(副腎皮質)の関係にあります。クッシング病は中間管理職が勝手にオーバーワークになるため部下も働かされます。一方で、クッシング症候群は部下が勝手にオーバーワークになるため、上司と中間管理職はオーバーワークを抑えようとホルモン分泌を低下させます。つまり、クッシング病ではACTHとコルチゾールが上昇しますが、クッシング症候群ではコルチゾールは上昇しているもののACTHの分泌は低下しています。そう、ACTHの分泌があるかないかで見分けることができるのです。最後に治療についてまとめていきます。治療は手術で腫瘍を取り除くことが第一選択です。ただし、術後にしばらくホルモンの補充が必要になる場合もありますので、主治医とよくご相談ください。

アジソン病

アジソン病では慢性に副腎皮質の機能が低下します。原因としては、特発性(原因がはっきりわからない)、感染症(結核、後天性免疫不全症候群など)、腫瘍、副腎出血などがあげられます。アジソン病ではコルチゾールとアルドステロンの両方が低下するので、多種多様な症状が出ます。具体的には、疲れやすさ、筋力の低下、脱力、体重減少、低血圧、色素沈着などです。また、食欲が低下して嘔吐や下痢などの消化器症状が出ることもあります。他にも無気力や不安、うつなどの精神症状が出る患者様もいらっしゃいます。ただし、これらの症状はアジソン病に特徴的なものではなく、必ずしてもすべての患者様に当てはまるものではありません。そこで、診断には血液検査でホルモン値の確認を行います。また、アジソン病には橋本病を合併している患者様もおり、甲状腺機能の確認も行います。治療では不足しているホルモンを補充してあげます。この病気がこわいのは、診断がつくまでです。診断さえつけば不足しているホルモンを補充すればよいのですが、診断をつけるのがなかなか難しい病気です。初めは症状から疑っていくことが大切になりますので、上記の症状が長引いていて困っている方がいらっしゃいましたら、早めに当院へご相談いただければと思います。

原発性アルドステロン症

この病気の特徴は高血圧です。生活習慣病のところでお話しましたが、高血圧のほとんどは本態性高血圧です。しかし、高血圧のなかには本態性高血圧以外に、原因がある二次性高血圧というものが存在します。原発性アルドステロン症は二次性高血圧に該当します。アルドステロンは腎臓に働きかけて血管内のナトリウム濃度を調整することで、体内で循環している血液量を増加させて血圧を保つ働きがあります。アルドステロンは腎臓に存在する傍糸球体細胞から分泌されるレニンによって調整を受けており、通常は腎臓を通る血流量が低下するとレニンが分泌されて、アルドステロンも分泌されるという上下関係になっています。しかし、原発性アルドステロン症の場合、副腎の過形成(正常の細胞が増えた状態)や副腎にできた腫瘍からアルドステロンが勝手に分泌されてしまうため、必要以上に循環している血液量を増加させてしまい、高血圧になります。アルドステロンには血液中のナトリウム濃度を高めて、カリウム濃度を下げるという働きもあるため、原発性アルドステロン症の患者様は低カリウム血症になっていることが多いです。低カリウム血症により、脱力感や筋力低下、不整脈、周期性四肢麻痺(炭水化物の多い食事の後や運動後などに手足が突然動かなくなる発作)を認める患者様もいますが、頻度としてはさほど高くありません。診断にはホルモン値と電解質(ナトリウム、カリウムなど)の確認をまず行い、異常があれば副腎の画像検査などさらなる精密検査を行っていきます。治療は、副腎に明らかな腫瘍があれば手術が行われます。しかし、副腎の過形成では腫瘍は認められないため、アルドステロン拮抗薬の内服で治療します。

褐色細胞腫

この病気の正体は副腎髄質にできた腫瘍です。厳密には副腎髄質以外の腫瘍が原因となることもあるのですが、話がややこしくなるので今回そちらは割愛します。この病気では、腫瘍から勝手にアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。その結果として、高血圧や頭痛、動悸、多汗(汗かき)、体重減少、便秘などを引き起こします。また、アドレナリンやノルアドレナリンには血糖値を上げる働きがあるため、耐糖能異常(血糖が高くなりやすい状態)になることもあります。治療は手術で腫瘍を取り除くことですが、手術中に痛みで血圧が跳ね上がったりすることがあり、厳密な血圧管理のもとで手術が行われます。また、褐色細胞腫のなかには転移をともなった悪性もあり、慎重な経過観察と治療が必要です。この病気を疑った場合は当院での治療は難しいため、近隣の大きな病院へご紹介いたします。

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